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2021年6月16日水曜日

テーパ抜き用アタッチメント再々製作

 以前作ったフライス主軸テーパ抜きアタッチメントの接着が剥がれた。このバージョンを作った時の投稿が2019.12なので、概ね1年半持ったことになる。首のパイプが薄いから、引っ張りによる変形でちょっとづつ剥がれるんだろうか?

このアタッチメントが無いと、テーパを抜くのにドローボルトの頭をハンマーで叩くことになり、主軸ベアリングの予圧が途端に調子悪くなるので、もう一回作り直すことにした。

完成品はこれ。

テーパ抜きアタッチメント完成品

今回は、主軸穴にタップで左めねじを切って、それに合わせておねじ側のアタッチメントを作ることにした。(ドローボルトの緩め方向で反力を受けるので、左ネジじゃないとアタッチメントが緩んでくる)

主軸の穴径はΦ11.4。ドローボルトはΦ10。M12P1.75の内径はΦ10.1。つまりアタッチメントに普通におねじを切るとパイプ部が肉厚不足で切れちゃう。なので、アタッチメントの主軸と勘合するおねじは、谷径Φ11.3程度でフラット部が広いイレギュラーなねじ山形状が必要となる。

まずは旋盤でブランク作成。

テーパ抜きアタッチメントブランク作成
材質はSUJ2。生材でちょっと強いもの、ということで手持ち材から選んだが、かなり切削性が悪い。この前のようにSCM440調質材のほうが良かったかも。

チャックごと旋盤から外してチャックアダプタでフライスに載せて、コーンで中心出し。
フライスの芯出し

CNCで対辺13mm六角を削る。
六角頭切削


旋盤に戻って、キャップ勘合部のねじ切り。ここはM17P1.5左。
キャップ勘合部M17P1.5左切削

続いて主軸との勘合部のねじを切るわけだが、ここは色々準備がいる。

先ずはねじゲージの作成。
M12P1.75左特殊 ねじゲージ作成

S45CΦ16の端材に主軸穴径に合わせてΦ10.4穴を開けて、タップでM12P1.75左のねじを切った。これに合わせてねじを削る。

次にねじ切り用歯車の準備。
ML-210用オプションのねじ切りアタッチメントは最大ピッチ1.5まで。今回はピッチ1.75左を切りたい。親ねじに勘合する歯車に16Tモジュール1.0を用意すれば、キットの中の28T歯車と組み合わせて28/16=1.75となる。

小原歯車の標準品を入手したので、四つ爪チャックで咥えてボス長さを5mmに詰めて、
ML-210 ピッチ1.75ねじ切り用歯車 ボス加工

フライスに載せて穴を開け、
ML-210 ピッチ1.75ねじ切り用歯車 止めねじ下穴加工

M4タップを切って、
ML-210 ピッチ1.75ねじ切り用歯車 止めねじ加工

バリを落とせば歯車完成。

ねじ山形状が特殊なので、テーパー削りアタッチメントを主軸と平行にセットして、軸方向にずらしながらねじ切り。
M12P1.75左特殊ねじ用旋盤セットアップ

バイトも先がフラットになったものを用意した。(折れた超硬エンドミルをダイヤモンドディスクで成形)
M12P1.75左特殊ねじ切削拡大図
先に作ったねじゲージに合わせて、しっくり入るところまで削る。

後は、主軸固定アタッチメントで主軸を固定して、
MX-20主軸固定


タップで主軸穴にねじ切り。(M12P1.75左)
MX-20主軸上端にねじ切り

ねじ部拡大図
MX-20主軸上端ねじ切り完成図


アタッチメントをねじ込んで、
MX-20主軸上端にテーパ抜きアタッチメントねじ込み

ドローボルトを通して

MX-20テーパ抜きアタッチメント ドローボルト取付状態

前回作ったキャップをねじ込んで完成。

MX-20テーパ抜きアタッチメント完成状態

今度は長持ちして欲しい。

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