家のミニフライス XM-20では、主軸テーパがMT-2で、ドローボルトが主軸を貫通している。ミーリングチャック等を取り付けるときはドローボルトを締めるだけだが、取り外すときはボルトを緩めて上から叩く必要がある。
そもそもの設計意図では、主軸端にはねじ込み式のスチールキャップがあって、クイルをロックしてドローボルトを緩めるとドローボルトがキャップに突き当たってテーパー部を押し出す、と考えているようだが、テーパーを押し出す抵抗が大きいので、実際にはドローボルトがキャップに突き当たった後は、クイルのロックが滑って主軸が下に押し出されてしまい、テーパー部はまず抜けない。
いままでは、しょうがないので大きなハンマーでドローボルトの頭を叩いてテーパーを抜いていたが、主軸のベアリングが痛むので、ベアリングを交換するまえに対策を打っておくことにした。(フライス主軸のメンテナンス(その1 チェックとグリスアップ))
作った部品は、2つ割りカラーとキャップが一体になったような形。これを主軸端に取り付ける。チャックを取り外すときはドローボルトを緩めていくとボルト頭がテーパー抜き用キャップに突き当たって、それ以上緩めるとテーパーを押し出す仕組み。当初作ったものは、押し出す際に2つ割り部分が滑って上に上がってきてしまうので、
あとから押しねじ(M5 2本)を追加した。
結果、良いようです。主軸が回転しないようにフックレンチで押さえて六角レンチで
ドローボルトを緩めると、ちゃんと外れた。
部品製作過程は省略だが、写真を1枚だけ。
親亀子亀で旋盤をフライスのテーブルに載せて、外周のR形状を削っているところ。
速度速めなのでキリコが焼けてきれい。(主軸回転3100rpm、切り込み0.04、F150、材料径Φ28~38 刃物は超硬自作)(NCだからのんびり写真なんか撮っていられる。)
これで安心して主軸ベアリング交換に取り掛かれる。
2019/12/17追記
このCAPだと、ハンドルでZ軸を下げる時CAPが主軸プーリーにつっかえてストロークが取れない難があり、下記「テーパー抜き用CAP再製作」で作り直した。
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