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2019年7月14日日曜日

真空ポンプによる自転車リアショックのエア抜き(CaneCreekDBinline)


前回メンテナンスした真空ポンプを使って自転車リアショックのエア抜きをした。

真空ポンプによる自転車リアショックのエア抜き 装置全景


エア抜き装備の構成は以下。

・アダプタを作ってショックユニットのブリードポートにチューブを接続
・チューブを真空ポンプ側とオイル側の二股に分岐
・真空ポンプ側バルブは3方弁として、バルブを閉じた時は真空ポンプ内の負圧を開放。(ポンプ内が負圧のままだとポンプを止めた時にポンプオイルがシリンダー内にどんどん吸い出されてしまう。)
・真空ポンプ側に真空計とフィルタを入れた。

今回、空圧系の部品を初めて使ったが、安くて使い勝手がいいのに感心。色々作れそう。

作業手順は以下。
1.ショックユニットのブリードポートにチューブを接続。
2.オイル側バルブを閉じてポンプ側バルブを開け、ポンプをON。
3.オイル側バルブを少し開けて、バルブまでオイルを吸い上げたら閉じる。
4.圧力が下がるまで待つ。(10分くらいか)
5.ポンプ側バルブを閉じてポンプをOFF。
6.オイル側バルブを開けてショックオイルを吸い上げる。
7.ショックオイルがエアチャンバーまで入ったらオイル側バルブを閉じてショックガスチャンバー上の蓋を開け、ショック内の負圧を抜いて、もう一度蓋を閉める。
8.ブリードポートのチューブを外してブリードポートボルトを取り付ける。
9.ショックユニットを手で伸縮させて残ったエアを抜く。
10.ショックユニット組立。

ポンプを使わない場合よりはるかに簡単だったが、不満も。細かいのを除くと、結局手で伸縮させないと完全にエアが抜けない、という事。
これは真空度が足りない、とか、ショックユニットにオイルが入った状態で負圧を掛けられない、とか、負圧を掛け始めてからの待ち時間が足りないんじゃない?とか、色々考えられる。まあ、次にやる時は改良しましょう。


ポンプ単体で確認したとき(-0.097MPa)よりちょっと高い。リークがあるのか、もっと待つべきなのか。
真空ポンプによる自転車リアショックのエア抜き エア抜き時負圧


今回作った部品はこれ。CaneCreekDbinline用オイルブリードアダプタ。材質はS45C快削。
右側のネジはM4X0.5。その左はOリング溝、S-3用。右側端面はチューブフィッティング取り付け用にM5メネジを切った。中心穴は右から10mm程Φ1.5ドリルを入れ、左からΦ2で貫通させた。(ネジ周辺は折れそうなので細目の穴にしたが、Φ1.5ドリルでこの長さを貫通させるのはちょっと手間がかかる。)
CaneCreekDbinline用オイルブリードアダプタ

旋盤でのネジ切りは久しぶりだ。
CaneCreekDbinline用オイルブリードアダプタ 旋盤によるネジ切り


ネジ太さを、旋盤にチャックしたまま現物合わせで確認。
CaneCreekDbinline用オイルブリードアダプタ ネジ勘合確認


このアダプタにはS-3のOリングをはめ込むわけだが、ネジ部を通過させる時に傷がつかないよう、挿入ジグを作った。材質はジュラコン。(左側の黒い部分)
CaneCreekDbinline用オイルブリードアダプタ Oリング挿入治具

テーパー側からグリスを塗ったOリングを押し込むとつるっと入る。
CaneCreekDbinline用オイルブリードアダプタ Oリング挿入状態


ショックユニット本体の話も色々あるが、長くなるのでまた別途

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