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2019年3月22日金曜日

ミニ旋盤四爪チャックの爪修正

スクロールチャックの爪を修正して結果が良かったので、四爪チャックの爪も確認した。
修正前はこんな具合。

四爪チャックの爪 修正前

んー、状態悪し。削りましょう。
今回は、各爪の寸法ばらつきは気にしなくていいので気が楽。
爪の溝を基準に垂直を出して、咥える面を超硬のエンドミルで削る。
四爪チャックの爪 修正用チャッキングの垂直出し

削った後はこんな具合。
四爪チャックの爪 修正後

組立状態。
四爪チャック 組立状態

具合良いようです。これでまず何を削ったかというと、こちら



2019年3月20日水曜日

自転車リアサスペンションユニットのダンパーシャフトチャッキング冶具を作る

CaneCreekDBInlineのエアシールをメンテナンスするためには、ダンパーシャフトをチャックしてエンドキャップ部を回して取り外す必要がある。この辺が例えばFoxFLOATなんかに比べて整備性の劣る所。
一般的にはダンパーシャフト径に合わせたアルミのチャック冶具を使うようだが、(以前「丸パイプチャッキング冶具を作る」で作ったようなもの)アルミのシャフトの摺動面をアルミで直に受けるのは、傷を入れそうでちょっと気が引ける。日頃のメインテナンスが原因でオイル漏れが起きるのは避けたい。
で、こんな冶具を作ってみた。

分解状態

アルミブロックはA2017製。フライスのメタルソーでt20の素材から切り出して、旋盤の4つ爪でチャックして中心にΦ12.00の穴を開けてから、も一回フライスで外周を仕上げてメタルソーで2つ割り。
樹脂カラーはジュラコン棒をスクロールチャックで咥えて1チャックで内径Φ8.02、外形φ12.01のフランジ付きパイプを作ってメタルソーで2つ割りにした。(ダンパーシャフト径は実測Φ8.03。)
今回、4つ爪チャックの爪も修正してえらく調子よくなったが、それはまた別途。

組み合わせ状態1 
リアショックユニットダンパーシャフト固定冶具組立状態1
アルミブロックと樹脂カラーはしっくりはまる。チャック爪を修正してから、精度が出しやすくなって気分良し。

組み合わせ状態2 
リアショックユニットダンパーシャフト固定冶具組立状態2
違うサイズのシャフトが来ても樹脂カラーだけ削ればいいので気が楽だ。

以下、冶具の使い方を含め、エアチャンバー部の分解手順のおさらい。

手順① エアを抜く
CaneCreekDBInlineエアチャンバー部分解手順1エア抜き

手順② エア筒(外)固定Cリングを外す
CaneCreekDBInlineエアチャンバー部分解手順2Cリング外し
爪で外れる。

手順③ エア筒(外)を外す
CaneCreekDBInlineエアチャンバー部分解手順3エア筒(外)外し
固着しているときはベルトレンチで回す。

手順④ エア筒(内)をベルトレンチで緩めて外す
CaneCreekDBInlineエアチャンバー部分解手順4エア筒(内)外し

手順⑤ ダンパーロッドを脱脂
CaneCreekDBInlineエアチャンバー部分解手順5ダンパーロッド脱脂
油が付いていると次工程で滑る。

手順⑥ ダンパーロッドを冶具で咥え、エンドキャップをモンキーレンチで緩めて外す。
CaneCreekDBInlineエアチャンバー部分解手順6トップキャップ外し
ダンパーシャフトを咥える時は、樹脂を介しているので締め代が随分あって、大丈夫かな?と心配になったが、きちんと固定できた。ダンパーシャフト端ネジの締め付けトルクは案外低め。まあ、アルミの8mmだから。(案外、とか言ってないで、そろそろトルクレンチが必要か。)

エンドキャップが外れた状態
CaneCreekDBInlineエアチャンバー部分解手順6トップキャップ外れた状態


ダンパーロッド端面
リアショックユニットダンパーシャフト端部ネジ
ダンパーロッドネジ部にネジロック剤が入っていることを予想していたのだが、入っていなかった。

エンドキャップ内面
リアショックユニットダンパーエンドキャップ内面
ダンパーシャフト当たり面にワッシャーが入っている。

手順⑦ エアシールヘッドを外す。
CaneCreekDBInlineエアチャンバー部分解手順7エアシールヘッド外し
工具はトルクスT10。


シールヘッドを外すとエア筒(内)が外れる。
分解状態
リアショックユニット分解状態

エアシールヘッド固定ネジ
CaneCreekDBInlineエアシールヘッド固定ネジ

M3X6皿。ネジロックが入っている。(青いから、loctite242相当かな)

エアシールヘッド
CaneCreekDBInlineエアシールヘッド

今回、ここの状態を確認したかった。グリスが黒いのは摩耗粉か、MoS2か?
他、シール、スライダーはチェックしたが、特に問題なし。
後はきれいに洗って潤滑油を塗って組直すだけ。ショックフルードは替えたばかりなので、ダンパー部の分解は無し。
ついでにオイルシールヘッド部の穴ピッチを測っておく。
CaneCreekDBInlineオイルシールヘッド寸法測定

(分解ツール作成用)
組立時は、ダンパーシャフト端ネジにもネジロック剤を塗っておいた。(loctite222)

これで日常メンテナンスは簡単にできるようになった。
再組立て後、乗った感じは別に変わらない。差がわかる程乗りっぱなしではいけないのでこれでOK。






2019年3月13日水曜日

ミニ旋盤スクロールチャック爪の修正(その1)

前々から、ML210のスクロールチャックがどうも調子悪いと感じていた。
チャック痕が付くほどきつく締めてもぶれる、抜ける、センターを押さないと突っ切れない、等々。
ミニ旋盤だからしょうがないのかな、と思っていたが、試しに、使いこんでへたった爪の、素材との当たり面を削って修正してみた。

ML-210スクロールチャック爪切削

手順は以下
 ①爪の状態確認
  ↓
 ②初期の芯振れ測定
  ↓
 ③バイスの直角度測定、修正
  ↓
 ④切削
  ↓
 ⑤修正後の芯振れ測定
  ↓
 ⑥試削り


①爪の状態確認

スクロールチャック外観。正面から。
ML-210スクロールチャック(正面側)


背面から。
ML-210スクロールチャック(裏面側)


分解状態。
ML-210スクロールチャック(分解)



爪はこんな形。上側のギザギザがスクロールと噛み合う。
ML-210スクロールチャック爪斜視

爪を内側から見た状態がこれ。
ML-210スクロールチャック爪内側

スクロールとの当たり面が若干減っている。
素材との当たり面は一回修正したことがある。この時は、爪の奥の方、チャック前面より奥に円筒を噛ませて、手前側を超硬内繰りバイトで削った。思い返せば、これがいけなかったかな。(丸く削るので、素材にエッジが当たってチャック痕が残る。爪の倒れをコントロールしていないので、チャックしたとき均等に当たらない、等)

爪を外側から見た状態がこれ。
ML-210スクロールチャック爪外側

削るときには、爪外周面(写真下側の黒い横H形状の部分)を基準にするつもりなので、ここが荒れていると困るが、特に問題なし。



②初期の芯振れ測定

ML-210スクロールチャック芯振れ測定

Φ10のピンゲージを咥えて、1番爪を基準に2番爪、3番爪位置の振れをピックテストで測定した。測定結果は⑤で。


③バイス直角の確認

バイス傾き測定
テーブルにバイスを固定して、ピックテストでY軸とバイス底面の平行を確認。
(このバイスは首振り調整がついているので、再調整した。)
爪を削る時のZ方向高さ基準をバイス底面とするため。ここが傾いていると3つの爪の長さが違ってきて、芯振れとなる。


④切削
こんな形でチャックして、Φ12の超硬エンドミルで爪の当たり面を、全面削れるまでちょっとずつ削る。やはり結構傾いていて、外側(組んだ状態で右側)が低くなっている。0.025mm刻みで削って、計約0.2mm程削る事となった。
ML-210スクロールチャック爪切削


⑤修正後の芯振れ測定
やることは②と同じ
一回目、測定したら、まだちょっとずれているので1番、2番の爪をさらに削った。

ML-210スクロールチャック芯振れ測定結果

さて、これでチャックの振れも0.105mmから0.015mmに改善されて、よかったね、となると嬉しいのだが、実際にはそう簡単ではない。
素材の径が変わると芯振れ量も変わるし、チャックを付けはずしするとまた変わる。
チャックに咥えるピンの径を振って芯振れ量を測定した結果が以下
スクロールチャック素材径と振れの関係

この時、一回チャックを外しているせいか、素材径10mmでの同芯度も0.1mm以上とかなり大きくなってしまった。
さてどうしようか。この辺の話はかなりややこしいので、また改めて。


⑥試削り
何作ろうか?と思案して、これにした。
先日書いた、CaneCreekショックユニットのレデューサ。
CaneCreekレデューサ手作り

今テストしているMonkey18Kでは、このレデューサ部の剛性がバック剛性に響く事からレデューサはスチールを基本としている(アルミだと壊れる、という程ではない)が、CaneCreek用をさぼって作ってなかった。
先ずはスチール部品から。45C Φ12.73mm L30mm。
ML-210チャック修正後試削り

これはいい。旋盤の剛性が上がったような印象。芯を押さなくても逃げない、回転を上げてもビビらない、苦手だった突っ切りもうまくいく。(こうなってくると、もう少しモーターのパワーが欲しい。)
アルミ部はΦ20のA7075。これもいい感じ。チャック痕も付かない。(写真は無し)
因みに、今回はワンチャックで削っているので、芯振れの影響はない。

スチール部は焼き入れ、焼き戻しする。
レデューサパイプ熱処理後
脱脂を忘れて熱したらちょっとあばたになってしまった。

組付け状態はこれ。アルミ部は早いうちにアルマイトをかけないと。
レデューサ取り付け状態

今回の爪の修正は、保持力改善に殊の外効果があった。一方で、芯振れ改善はもう一工夫が必要。
次回に続く。






2019年3月3日日曜日

リアショック分解ツールを作る(CaneCreek DBinline)

CaneCreek DBinlineのエアチャンバー部ナットを回す工具を作った。

CaneCreekDBinline分解工具

CaneCreek DBinline(MTB用リアショックユニット)をものすごく気に入っている。

スムーズな動作とダンピングのレスポンスの良さ、ダンピングの速度特性の良さ。
ああ、いいショックってこんななんだ、と思う。

一方でこのショックユニット、信頼性に問題あり。
インターネットで調べるとこのユニットの問題点は大きく2つ(のようだ)。
①エアチャンバーのダイヤフラムがオイルの流れに引き込まれてバルブ本体に接触して切れる。
②ピストンロッドのスライドブッシュの耐久性が不足していて、特にショックユニットにかかるサイドロードが大きい場合、早期に破損する。
この2点は自然切替で対策が打たれているらしい。

情報源は例えば下記

これを承知で、NETで叩き売られているDBinlineを買って3か月、オイルにエアが噛んだ。
エアが噛むと、まるで砂を噛んだようにがりがりした感触になる。
ああ、来た来た、と分解する算段を始めた。

CaneCreekDBinline取り付け状態

先ずはガスチャンバーを開けてダイヤフラムの損傷を確認することにする。
このためには、トップキャップ部の異形ナット(120°位相×3連凹)を回す必要がある。
はなからスパナを作るつもりではいたが、はて、どうやって寸法を測ろうか?


CaneCreekDBinlineトップキャップ側から

しばし考えて思いついた方法はこれ。
①手持ちのドリルを凹部に当てて、凹Rを推測。
②凹Rに合うピンを2個作成。
 手持ちのドリルロッドを切って端面を旋盤で整えた。
 いつもの、何てことない削りシリーズ。

CaneCreekDBinlineナット寸法測定用ピン

③ピンを凹部にグリスで貼り付けて、マイクロメータでピッチを測定。
 前にヤフオクで買った25-50mmの外側マイクロメータが初めて生きた。

CaneCreekDBinlineナット寸法測定方法

測定値からピン直径を引いた値がピンのピッチとなる。測定値をCADで円周上に並べれば、ピッチ円と角度が分かる。


後は形状を決めてデータ作って削るだけなんだが、材質をどうするかで散々迷った。結果、初体験のMCナイロンを使うことにした。素材は、前に、知り合いの機械加工工場の素材市で分けてもらったもの。上手くいけば、アルマイトに傷を付けずに回せて良いのだが、樹脂が負けそうで怖い。なるべく剛性が取れるように形状を工夫する。

加工条件はF300~450、切り込み2.5mm、回転数はΦ5エンドミルで1600rpm、Φ3エンドミルで2000rpmと、アルミの時より送り、切り込みは大きめ、回転数はやや抑えた。(数字は感覚のみで決めており、根拠はなし)

CaneCreekDBinline分解工具作成

完成。しっくりはまって、強めのトルクでも工具が負ける感じはない。
異形ナットを回すときは写真と違って、トップキャップのアイレット部をバイスで咥える。

CaneCreekDBinline分解工具勘合状態

異形ナットも無事外れた。
オイルはまだ全然きれい。

CaneCreekDBinlineトップキャップを外した状態


左が異形ナット、右上がダイヤフラム、右下がトップキャップ

CaneCreekDBinlineエアチャンバー部品

ダイヤフラムはドーム型の噛み込み対策品が付いている。
ダイヤフラムの表面は傷が何か所かついているが、貫通はしていない。

CaneCreekDBinlineエアチャンバーダイヤフラム


そうすると、エアはどこから入ったのかな?
原因究明はちょっと置いておいて、一旦エア抜きして組みなおすことにする。
弄り壊しちゃうと何が起きていたのか分からなくなるので。

再組立手順は以下
①元のオイルを排出→新しいオイルを上から注ぐ→あぶくが出なくなるまでユニットを往復運動させる(しつこくしつこく)
そーっとストロークさせないと油鉄砲となってオイルが天井まで飛び散る。


CaneCreekDBinlineオイル交換


②エアが入らないようにオイルをあふれさせながらダイヤフラムをはめる。
エアが入らないようにするのは当たり前として、ダイヤフラムの外周をきちんと本体溝に嵌めるのは結構難しい。一回バイスから本体を外して全周確認したほうがいい。

CaneCreekDBinlineエアチャンバーダイヤフラム取り付け状態


③蓋を閉める。
蓋を閉める時はトップキャップ側をバイスで固定する。
今回、アジャスターが横向きになるように組んでみた。今のフレームだとその方が使いやすい。

CaneCreekDBinlineトップキャップ締め付け作業


④ガスチャンバーを加圧する。
ガスチャンバー部のバルブの構造は、穴の奥にゴム栓(右)、その手前に穴の開いたイモネジ状のキャップ(左)が入っていて、ゴム栓に針を刺して加圧して、キャップを締めこんで穴を塞いでいる。
CaneCreekDBinlineエアチャンバーバルブ

エアを入れる為には、穴の開いた4mmの六角レンチが必要。
焼きなましてドリルで貫通穴を開ける。

CaneCreekDBinlineエアチャンバー加圧用穴あき六角レンチ


六角レンチに、ボールに空気を入れるニードルを差して、サスペンションポンプで加圧する。ニードルはうっすらグリスを塗っておく。
圧は今回、15kg/cm2とした。(根拠はなし。キャビテーションが起きないように押さえておけばいいのでそんなにシビアな調整は要らないかな、と想像)本来ここは窒素ガスを入れるが、まあ、良しとする。

CaneCreekDBinlineエアチャンバー加圧用工具


キャップをしっかり締めこんでおいてニードルをゆっくり引き抜いて、後キャップをさらに増し締め。
CaneCreekDBinlineエアチャンバー加圧


取り合えず正常に動くようになったが、エア噛み原因は分からず。
出先で壊れるのがちょっと不安。当分スペアのユニットを持って走ろうかな。