自転車のフロントサスペンションの圧縮ダンピングが効いていないように思える。
サスペンションはサンツアーのAION。
このサスペンションは一回ジョイント部が緩んでオイルが流れ出して伸び/圧縮共に効かなくなった前科あり。
この時は、んーこんなもんか、と随分長いこと放置していた。(お恥ずかし)
今回はその反動で、気になるとどうしても中が見てみたい。
ダンパーユニットを分解しようとするが、ネジが回せない。
分解するためには円筒部を回らないように固定する必要がある。
円筒部はアルミの薄肉だから、当然のことながら万力で咥えたりすると、
変形して使用不能になる。これを咥えるための冶具を作ってみた。
ダンパーユニットはこんな形。
やることは簡単で、円筒にぴったり合った凹のついた当て金を2つ作ればいい。
1.冶具製作
先ず、手持ちの端材(A2017 t12)を手のこで切り出す。
(ちょっと適当すぎた)
外周をフライスで整え、万力の口金に引っ掛ける段差を付ける。
ブランク完成
ユニット外径をマイクロメータで当たると、Φ24.00~24.02mm。
2個合わせて4つ爪チャックで咥えて穴を開ける。穴径目標は24.01mm。
インナーマイクロでチェックしながら慎重に削る。
結果、ぴったり24.01。(いつもこんなにうまくいくわけではない)
完成
早速ユニットを咥えてみるが、滑って固定できない。
ああ、そりゃそうだ、締め代が無い。左右の冶具の当たり面を1mm程削る。
2.ダンパーユニットメンテナンス
ユニットを咥えるとこんな感じ。
開けたら保証しないぞ!と書いてある。自己責任で。
今度はOKだが、意外に締め付け力を加えないと滑る。
右側が伸び用のリリーフバルブ。細目のスプリングでバルブディスクをバルブボディに押し付けており、伸び時はスプリングを押し上げてオイルが流れ、圧縮時はバルブディスクがバルブボディーに押し付けられてオイルが流れない構造。
左側は圧縮用リリーフバルブ。太目のスプリングでバルブディスクをバルブボディに押し付け、スプリングのイニシャル荷重をネジで変化させるさせることで圧縮ダンピングを調整する。伸び時はバルブディスクがバルブボディーに押し付けられてオイルは流れない。
左側は圧縮用リリーフバルブ。太目のスプリングでバルブディスクをバルブボディに押し付け、スプリングのイニシャル荷重をネジで変化させるさせることで圧縮ダンピングを調整する。伸び時はバルブディスクがバルブボディーに押し付けられてオイルは流れない。
圧縮減衰を出しているのはこの部分。
伸び側リリーフバルブが引っかかって開いたままになると圧縮ダンピングが抜けることになる。問題はこのへんかなぁ。リターンスプリングを伸ばしてプリロードを上げて安定させる手もあるが、伸び減衰に影響が出る。そんなことをして弄り壊すのは嫌なので、動きそうになる手を理性で止めて、洗浄にとどめる。
洗浄後、オイルを入れる。今回入れたのはROCKSHOCKSの#5。
オイルを入れながらロッドを往復させて中のエアを抜くわけだが、ロッドを往復させると細かい泡が沢山出てくる。オイルに溶けているエアが減圧で出てくるのかな。
放置して泡を抜いてから、オイルを足して、あふれさせながらトップキャップを嵌めてエアーがなるべく入らないようにする。
まあ、こんなもんでしょ。
サンツアーのフロントフォークは、ちょこちょこトラブルも出るが、ユーザーによるメンテナンスを許容する構造になっていて、かわいいやつだ。
その2に続く。
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