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2017年8月27日日曜日

自転車フロアポンプのエアゲージ窓を削る。

今使っている自転車のフロアポンプを買ったのは確か92年頃、岩岳かキューピットバレーのDHレース会場のパナレーサーの出店で買った。その後の荒い扱いにも関わらず、まだまだ元気に現役で使用中。ホースの劣化もなし、革のピストンパッキンは確か1回交換したはず。
その中で、エアゲージの窓がすっかり黄ばんで濁ってしまった。暗いところでは全然見えない。取り合えずコンパウンドで磨いてみたが、内部まで濁っているようであまり改善しない。NC旋盤モドキが使えるようになったので、新しいのを削ってみた。
材料はなぜか買ってあったt8mmのポリカ。アクリルのほうがいいんだろうなぁ、と思いながら、手持ち材でやってしまう。


断面形状は、目盛りが大きく見えるように凸レンズにしてみた。(外側凸R、内側フラット)

先ずは手のこで四角に切り出し、面板に押し付けて外周を削る。


内側は手送りでフラットに削る。

内周を咥えてNCで外周削り。

前回のシフトノブアダプタの時はG53座標系オフセットで切り込みを決めたが、今回はパラメータでオフセットしてみた。こちらのほうがGコードの見通しがいいような気がする。




(***main1***)
#1001=0.2(offset-step)
#1002=3.6(offset-max_kari)
#1003=FUP[#1002/#1001](times)
#1004=[#1001*#1003](offset-now)
M98P01L#1003
#1004=[#1001*0.2]
M98P01
#1004=0.
M98P01




O01(***pass1***)
G00A#1004
G00X[0.3+#1004]Y[1.+#1004]
G00Y[-2.6+#1004]
G01X[-6.+#1004]F50.
G01Y[1.+#1004]F200.
G00X[0.3+#1004]
#1004=[#1004-#1001]
M99



後は耐水ペーパーとコンパウンドで磨いて完成。完全にクリアーになるように磨くのは、なかなか技術と根気がいるようで、どうも筋が残ってしまう。今回の使用上は全く問題ないのでこんなもんにしておく。




before



after
気分すっきり。

これが出来れば、非球面レンズも作れちゃう。精度はともかく。
嫁に見せたら、あきれられた。確かに、こんな部品になんでこんなに手間を掛けるのか、ということにはなろう。でも、その一方、コストパフォーマンスの問題ではなかろう、とも思う。ここの所を上手に説明できるようになるのが今後の課題。

まあ、今回の件に限って言えば、ナショナルタイヤにおねだりすれば、簡単に入手できたのかもしれない。


NC旋盤もどき#1。親亀子亀

NCフライスの主軸を固定してバイトを咥え、テーブルにミニ旋盤を乗せると、NC旋盤として使える(はず)。NC旋盤の必要な部品が何点かあり、やってみる。

先ず、主軸ロック金具を作る。
t12のA2017板からΦ5エンドミルで削りだす。(なぜかストックがあった)
円弧部分がきれいに削れるかどうかが課題。
リードスクリュー改良を行ってから、このような切削はずいぶんうまく作れるようになった。
ただし、今回はしょうもないミスの連発でずいぶん難儀した。円弧の直径を間違えたり、移動でZ軸を上げるコードを漏らしたり、、、ちょっと頭の調子が悪い。
それでもどうにか深刻な欠陥なしに完成。
もう一つポストを作って本体に組付け。


後はΦ16の快削鋼でアーバーを作って、いつものようにΦ5棒に超硬チップをロウ付けして刃物を作る。



アーバーをコレットチャックに咥えて旋盤を乗せる。


これで何を削ったかは、別途。












2017年8月20日日曜日

振れ取り台アダプタを削る

何てことない削りものシリーズその4

色々たまっているので、まだまだ続く、何てことないシリーズ。
週末用自転車(MONKEY98ST7)のリアホイールのスポークが1本緩んでいるのを発見。
この自転車は下して2年の我が家では最新スペック。
そうすると、フロントΦ15スルーアクスル、リアΦ12スルーアクスルだったりする。
一方、振れ取り台は、いつ買ったんだったか?90年代前半ではあるのだが。

当然、当時はスルーアクスルなんて存在せず、フロントΦ9リアΦ10クイックシャフト仕様のみ。例えばこんな形。


振れ取り台のエンド部はこんな形。


一方、スルーアクスルではホイール側はこんな形。
フロントならΦ15、リアならΦ12の穴が開いているだけ。このままでは振れ取り台に乗らないものだから、最初からホイールは組んでもらったし、その後もろくにチェックしていなかった。
とりあえず弛んだスポークは適当に締めておいたけど、これはなんとかせねば、ということで、手持ちの振れ取り台に12mmと15mmのスルーアクスルホイールが乗るように、アダプタを作る。





作成風景は、何てことない削りだから、敢えてのせる程のものではない。
フロント用とリア用のカラーを1ペアづつ、A7075 Φ20の棒材から削る。M6のズンギリを200mmに切る。大阪魂のM6ノブスターを2個、1個はキャップにΦ6.5の貫通穴を開ける。自転車スタンダードでは、クイックシャフトに合わせてM5とするところだが、材料ストックと好みの問題でM6とした。

使い方はこう。


振れ取り台に乗せたところ。



後は普通に振れを取るだけ。


具合は良いようだ。

シフトノブアダプタを削る

何てことない削り物シリーズ3

車のシフトノブが、ポロンともげた。
アルミのノブとシフトレバーの棒の間に振動防止か断熱か、エラストマーが入っていて、これにひびが入って、芯のプラスチックも割れて脱落した。そんなに力がかかるところではないので、前のオーナが交換しようとして断念したのかしらん。
取り合えず友達に泣きついてみる。昔、使わなくなったシフトノブをあげたことがある。たしか2008年。その後、車を乗り換えて、使わなくなったはず。
即、返事が来る。あるという。お互い物持ちのよいことで。


前に使っていたときは、シフトレバーの先にねじが切って有ったので、ぐりぐりっとねじ込めばOKだったが、今度はΦ11のただの丸棒。とりあえずテープを張って押し込んだが、ぐにゃぐにゃしてぜんぜんだめ。分かりました、作りましょう。




シフトノブの穴はダブルDのテーパーなので、内パスで寸法を拾って、ジュラコンでコレットを作る。内径はΦ11のストレート。メタルソーでスリットも切って、こんな形。



次、コレットを押さえるカラーを作る。材料はA5056のΦ32が有ったので、それを使う。
(いつものA7075やら2017に比べて面が荒れやすくて削りにくい。)
ネジはノブに合わせてM21P1.5。首下は作ったばかりの親亀子亀で行ってみる。
折角だから、NCじゃないと削りにくい形で、ということで凹R20-R7の複合+前後の凸Rまで通しで削る。







完成。 もう少し苦労するかと思ったが、殊の外きれいに削れた。動画を撮っていた時は、バイトの前切れ歯がテーパと干渉してびびっていたけど、角度調整後は安定した。ちなみに、切り込み0.05mm、送りF150(荒取りならもっと送れる)、最後だけF30くらいで仕上げた。

取り付けると、こんな感じ。
カラーにレンチをかけてぐりぐり締める。
やっぱり、触るところは革がいいな。