一般的にはダンパーシャフト径に合わせたアルミのチャック冶具を使うようだが、(以前「丸パイプチャッキング冶具を作る」で作ったようなもの)アルミのシャフトの摺動面をアルミで直に受けるのは、傷を入れそうでちょっと気が引ける。日頃のメインテナンスが原因でオイル漏れが起きるのは避けたい。
で、こんな冶具を作ってみた。
分解状態
アルミブロックはA2017製。フライスのメタルソーでt20の素材から切り出して、旋盤の4つ爪でチャックして中心にΦ12.00の穴を開けてから、も一回フライスで外周を仕上げてメタルソーで2つ割り。
樹脂カラーはジュラコン棒をスクロールチャックで咥えて1チャックで内径Φ8.02、外形φ12.01のフランジ付きパイプを作ってメタルソーで2つ割りにした。(ダンパーシャフト径は実測Φ8.03。)
今回、4つ爪チャックの爪も修正してえらく調子よくなったが、それはまた別途。
組み合わせ状態1
アルミブロックと樹脂カラーはしっくりはまる。チャック爪を修正してから、精度が出しやすくなって気分良し。
組み合わせ状態2
違うサイズのシャフトが来ても樹脂カラーだけ削ればいいので気が楽だ。
以下、冶具の使い方を含め、エアチャンバー部の分解手順のおさらい。
手順① エアを抜く
手順② エア筒(外)固定Cリングを外す
爪で外れる。
手順③ エア筒(外)を外す
固着しているときはベルトレンチで回す。
手順④ エア筒(内)をベルトレンチで緩めて外す
手順⑤ ダンパーロッドを脱脂
油が付いていると次工程で滑る。
手順⑥ ダンパーロッドを冶具で咥え、エンドキャップをモンキーレンチで緩めて外す。
ダンパーシャフトを咥える時は、樹脂を介しているので締め代が随分あって、大丈夫かな?と心配になったが、きちんと固定できた。ダンパーシャフト端ネジの締め付けトルクは案外低め。まあ、アルミの8mmだから。(案外、とか言ってないで、そろそろトルクレンチが必要か。)
エンドキャップが外れた状態
ダンパーロッド端面
ダンパーロッドネジ部にネジロック剤が入っていることを予想していたのだが、入っていなかった。
エンドキャップ内面
ダンパーシャフト当たり面にワッシャーが入っている。
シールヘッドを外すとエア筒(内)が外れる。
分解状態
エアシールヘッド固定ネジ
M3X6皿。ネジロックが入っている。(青いから、loctite242相当かな)
エアシールヘッド
今回、ここの状態を確認したかった。グリスが黒いのは摩耗粉か、MoS2か?
他、シール、スライダーはチェックしたが、特に問題なし。
後はきれいに洗って潤滑油を塗って組直すだけ。ショックフルードは替えたばかりなので、ダンパー部の分解は無し。
(分解ツール作成用)
組立時は、ダンパーシャフト端ネジにもネジロック剤を塗っておいた。(loctite222)
これで日常メンテナンスは簡単にできるようになった。
再組立て後、乗った感じは別に変わらない。差がわかる程乗りっぱなしではいけないのでこれでOK。
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