ラベル

2021年6月20日日曜日

フライスMX-20アリ溝をキサゲ修正する

 先日、MX-20でS50CをCNCで削っていて、X軸送りSTMがちょっとずつ脱調してずれていくトラブルが起きた。

動作チェックするとX軸送りが時々引っかかる。アリ溝のジブを調整するが、どうもガタつくのに動きが渋い。で、アリ溝の当たりをブリューペーストで見てみた。案の定当たりがかなり悪い。どれ、修正してしまおう。

本来は、アリ溝に合わせたテーパの平面ゲージを作って、それに合わせて可動側と固定側をそれぞれすり合わせるのが筋なんだが、準備が色々必要だし、これだけ状態が悪いなら、現物合わせで可動部の水平面だけ仕上げてもだいぶましになるんじゃないかな、ということで、ともかくやってみる。各軸の直角度やら直線度やらにも影響するので、今回はあまり頑張らず、次の仕上げ代を残して様子をみる方針。

X軸から始めたが、写真は撮り忘れ。

次、Y軸。

固定側平面部にブリューペーストを薄く均一に塗る。

Y軸アリ溝固定側平面にブリューペーストを塗布

ブリューペースト
ブリューペースト

キサゲは割れた超硬メタルソーを鉄フラットバー25X2にロウ付けしてダイヤモンドディスクで刃付けしたもの。
自作キサゲ


刃部拡大
自作キサゲ刃部拡大


可動部側当たり。
Y軸可動部側当り(初期)
写真を撮るのを忘れてたので、これは2~3回合わせたあと。
可動側が中凹になっているようだ。
青が付いたところをキサゲで削る。これを延々繰り返す。

数十回後。
Y軸可動部側当り(終了)

取り合えず、このくらいにしておく。

Z軸。これはかなりひどい。
Z軸可動部側当り(初期)

向かって右側(写真の上側)はほとんど内エッジしか当たっていない。
これは、固定側の内側に段が付いていることが分かったので、当りを見ながら固定側も削った。

修正後。
Z軸可動部側当り(終了)

ついでにコラムとYテーブルの接合部も加工する。
Yテーブル側は一見キサゲ仕上げに見えないこともないが、実際はグラインダー仕上げででこぼこ。ボルトを締めないと、微妙にカタカタする。なんでこんな風になっているのかよく分からない。これだったら機械加工上がりのままのほうがよかったんじゃないのかな。
Yテーブルのコラムとの当たり面(初期)

コラムの接合面。
コラムの接合面(初期)
ひどい凸だけダイヤモンドヤスリで落としておく。
あとはブリューペーストを塗って、よっこらしょ、と抱え上げてYテーブル面に降ろして、数回揺すってまた抱え上げる。

一回目の当たりがこれ。
Yテーブルのコラムとの当たり(初期)

修正後。取り合えずこのくらいにしておく。
Yテーブルのコラムとの当たり(終了)

ここまで来て、Xテーブルとベースの間にも接合面があることを思い出したが、まあ次の機会にやることにする。

組み上げて動作を確認。ジブの調整もきちんと出るし、負荷が随分下がった。場所によって負荷が大きく変わることを心配したが、特に問題なさそう。

負荷が下がって送りモータのトルクに余裕が出たので、Mach3のモータ最高速と加速度を再設定した。

   元                   X         Y         Z

 Velocty        1000    800     600

 Acceleration   100    100      50

  

 修正後            X         Y         Z

 Velocty        1600   1300     800

 Acceleration   200    200      200

軽快に動くし、加速度を上げたのでマニュアル位置決めがやりやすくなった。

失敗した冒頭のS50C部品をテストがてら削ってみる。

これは良い。安定して削れるし、ビビらなくなった。特にバックラッシ補正で一瞬止まるところ。かなり条件を落としても一瞬ギャッ、とびびっていたのが全く無くなった。これでエンドミル寿命も延びそうだし、条件ももっと上げられそう。

ちなみに現状の鉄系の粗取り条件は、刃物がOSGのAE-VML6x19(これお気に入り)で2500rpm、F700、切り込み0.5mm、MQL。切り込みをちょっとづつ増やしてみよう。

あちこち削ったので各軸の直角度をみなきゃいけないけど、それはまた別途。

0 件のコメント:

コメントを投稿