Peugeot206SWのスプリング圧縮工具とすり割りクランプ広げ工具。
Peugeot206のフロントショック/スプリングを外す場合、スプリング長を1G状態程度で保持しておかないと、ロアアームの動作範囲よりスプリング/ショックユニットの自由長が長いので、分解組立に難儀する。サスペンションのスプリング座には穴が開いていて、長ネジ等を通してスプリングを圧縮したままにすることが出来る。引っ張る部材はM6の寸切りボルトで問題ないのだが、上の後ろ側は手が入らなくてナットを押さえに行けない。
そこでどうするかというと、荒っぽくやるならこんな感じ。
寸切りボルトをバーナーで炙って焼きなましてからバイスに咥えてハンマーで叩いて折り曲げて引っ掛けを付けて、曲げて太った部分をグラインダーで削り落とす。インシュロックで留めているのは引っ掛けの外れ止め。
馬を掛けた状態でブレーキディスクにジャッキを掛けて1G状態程度まで押し上げておいて、上側のスプリング座に寸切りボルトを引っ掛けて下側をナットで留めておく。
上側の外れ止めの状態。
長穴で寸切りボルトがずれないように丸棒を詰めておく。外れ止めが無いと、うっかりすると引っ掛けが外れる。(1回やった)
これはどうもあか抜けない、と思っていたら、ネットでこれ用のSSTの記事を見つけた。これはいいね、とまねして作ってみた。
作り方は、なんてことない旋盤とフライスの加工。手持ちのSUM22Φ10棒材で作る。製作過程は省略。
同じ記事に出ていたのがナックルのショックユニットを受けるすり割りクランプを広げる工具。すり割り部に長方形断面の棒を入れて回転させて広げるものらしい。
これはすばらしい。前回はナックルをハンマーで叩いて抜いていた。こんな荒っぽいやり方はできればしたくない。これも作ってみる。
こちらはSK3で作って焼き入れすることにする。長方形ではなくて、丸の2面カット形状とする。まずは旋盤でブランクを作って、
フライスに載せて六角を削り、
ひっくり返して2面削り。
削り完了。
バーナーで炙って水で冷やして焼き入れ。
焼き入れ完了。
表面を磨いて、
もう一回バーナーで炙って焼き戻し。
焼き入れの時よりそっと炙って、全体が濃い茶になったところで完了。(260℃くらいか)
これをこんな具合に使うわけだが、
最初、2面幅をボルトが締った状態で測って6mm、円筒部をΦ7mmで作ったら掛かりが浅すぎてほとんど広がらない。再度、ボルトを外した状態で測って2面幅7.5mm、円筒部10.5mmとしたら、今度は2面幅はいいが円筒部が大きすぎて回せない。
無理するとナックルを壊してしまいそうなので、円筒部を再度削る。
で、使ってみると、これはすごく良い。先のスプリング圧縮工具を掛けておけば、ショックユニットをぐりぐり回しながら手で抜ける。こうでなくちゃね。
スプリング圧縮工具の方はこんな感じ。
写真は上側スプリング座と工具のおさまり。座の当たり面が殊の外狭くてRになっているのでちゃんと収まっていない。回り止めの四角部分も効いていない感じ。これでは傷がついちゃうし。次開けるまでに作り直そう。
で、今回何をしたかというと、、、
家の206は、微妙に右に曲がる癖がある。なんとかならないかとずっと考えていたのだが、前回フロント回りを整備したとき、右の車高が左より10mm程低いことを見つけた。
どうもスプリングがへたっているようでもある。で、一回左右のスプリングを入れ替えてみようと思った次第。実際分解して測ってみると右のほうが10mm程度短い。
今回作った工具を使って分解、左右のスプリングを入れ替えてみた。
結果、まだ右のほうが5mm程低い。走らせてみても、良くなったような、変わらないような。うーん、次はリアをいじってみるか。
関連記事:車の修理3題 その3-1 ストラットアッパーマウント交換(PEUGEOT206SW)
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