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2017年5月23日火曜日

掃除機アダプタを削る

 ボッシュの掃除機を手に入れた。これは、いい。ほとんど、家のメイン掃除機となっている。よく吸うし、電池は長持ち、排気はきれい、led照明付きなのもよい。そこで、従来から使っていたオプション吸い口もろもろを使えるようにしたいのだが、家にあったテーパーアダプタがちょっと太くてボッシュの掃除機にはまらない。で、旋盤で削る。

 樹脂のテーパーアダプタは、フニャフニャしてテーパーがついているので、チャッキングに工夫が必要。3つ爪チャックで根元を内側から受けておいて、主軸を貫通させたM5ズンギリボルトで端を押さえる。主軸側はまた使うだろうから段付きカラーをアルミで作る。
ワーク側は木の端切れで段をつけて、固定してから共削りする。





















チャッキングしてしまえば、あとはなんてことなし。
テーパー削りアタッチメントを付けて、さくさくっと削る。


















この手の何てことない加工は、家庭用の工作機械の重要な使命の一つだと思う。きちんとカスタムメイドされた部品がどれほど気持ちがいいかは経験者は分かっていると思うが、これを手削りでやってもまずうまくいかない(僕にはやれない)し、プロに頼むにはあまりにも半端仕事すぎる。こんなことをやる度に、あぁ、旋盤は一家に一台だよね、と思う。






2017年5月12日金曜日

旋盤主軸平行出し

ML-210主軸の平行を出してみた。

今まで、概ね横送り20mmで直径1/100程左側が太くなっていた。これだとベアリングの嵌め合いでは公差レンジをほぼ食い尽くしてしまう。これを微妙にギザギザにして逃げたりしていた。
これでは面倒なので、アリ溝修正のついでに主軸の平行も調整することにした。

主軸台と横送り台を固定しているボルト3本を緩めて、山型ガイドの右奥側に0.01mmのシム1枚。


ここのボルトは買って初めて緩めた。
テストカット結果は上々。20mmで2/1000mmくらい左が太い感じ。とりあえずはこんなもんでしょう。
本当は垂直方向も見るんだろうけど、問題が出てから考える事にして、今回はここまで。

旋盤主軸ベアリング予圧調整ツール

ML-210の主軸の予圧調整はねじを切ったプーリーと丸ナットの締め合わせになっている。この丸ナット用のツールは本体に付属していないので、こんなものを作った。
具合良し。








旋盤でタップを使う時のアイデア

ミニ旋盤で使うダイスホルダは「ミニ旋盤を使いこなす本」に記載があることもあり、あちこちで見るが、タップホルダは見ない。タップを芯押し台のチャックに咥えてねじを切ると、主軸の回転と芯押し台の送りをシンクロさせなければならず、面倒だ。
最近思いついた方法はこれ。
芯押し台のハンドルを外す。これだけ。これで、芯押し台のチャックは回転固定、軸方向移動となる。
後は、最初タップをワークに押し付けて、後は主軸を回すだけ。
簡単すぎて誰も書かないだけかもしれない。





半自動タッピング

いつもやっていることだが書いておく。
XM-20にはタッピングモードがある。クイルハンドルの先にあるボタンを押すと主軸が反転するもの。半自動でやる場合、XY位置を決めてプログラムを一時停止させ、クイルハンドルでZ送りをかけて適当なところで主軸を反転、タップが抜けたらプログラムを再スタートさせる。

今まではNCVCがデフォルトで吐き出すGコードしか知らなかったので、穴開けサイクルでZを送っている隙にFeedHoldボタンで留めていたが、M0を使えば簡単。
XY位置決めしたらM0で止まるので、タップを切ってCycleStartボタンで再開させればいい。

コードは書くほどでもないが、こんな感じ。
%
(2017/03/26)
G90G54G92X0Y0Z10.
M08
S100M03
G00X22.
M00
G00X-25.
M00
G00Z10.
M09
M05
X0
M30
%

XM-20のクイルが動く構造は、切削精度の足を引っ張っているようで気になるが、これができるのが大きなメリットなので、やめられない。タッピングヘッドを作ればいいのだろうが。

Gコードのこと M0、M98、関数

XM-20をCNC化した当初は、CADの吐き出したDXFからNCVCでGコードを生成していた。
ところが、CADとの相性の問題か、変換がうまくいかないケースが多いため、一回り分をNCVCで生成してから手直しを掛けて、Z方向のステップ回数分コピーしていた。手間がかかるのでEXCELを使ったりもしたが、やはりめんどくさい。FOR~NEXTみたいなのがあれば便利なのに、とずっと思っていたが、目の前の作り物に追われて、NCVCがデフォルトで吐き出すコード以外は使わずにいた。最近になって、MACH3のGコードの勉強と検証を始めたら、色々便利な発見があった。折角なので、ここの所新しく覚えた、MACH3のGコードの解説を例を挙げて書いておく。

X軸の真直度を測定する時に書いたコードはこんな感じ。
(例1)
%
(2017/04/25)
#1001=0(X-Now)
#1002=0(X-Start)
#1003=228(X-End)
#1004=38(X-Step)
#1005=FIX[[#1003-#1002]/#1004](X-Times)
#1006=1(Counter)
G90G92X0.Y0.Z0.
M98P1L#1005 (x-houkou)
G00X0Y0Z0A0
M30
O1(***X-SUB***)
#1006=[#1006+1]
G00A#1006
#1001=[#1004+#1001]
G00X#1001Y#1011
M0
M99
%

・M0 一時停止、サイクルスタートボタンで再開 測定、タップ立て、ドリル交換など。
 上の例ではX軸を38mmピッチで移動させて停止したところでピックテストの値を読む。

・M1 オプショナルスイッチオンの時一時停止。使ったことがない。デバック用か?

・M98 サブルーチンの呼び出し
 M98P~L~
 Pにサブルーチン番号、Lに繰り返し回数を入れる。~はパラメータ可。(整数のこと)
 サブルーチンにはラベルO~(オー、ゼロではない)をつける。

・M99 サブルーチンからのリターン

・A軸 A軸を使っていない場合、表示を利用してカウンタに使ったり、パラメータの内容を覗いたり。
 上のコードでは、G00A#1006 でカウンタに使っている。
 これを使うために、Mach3のA軸のMotor Turning and SetupはSteps per:50Velocity:30000
 Acceleation:5000 という爆速設定になっているが、それでもレスポンスがちょっと遅れる。
 問題になるようなら、表示を1/100にする、等の工夫が必要。

・ABS(絶対値)、FIX(切り捨て)、FUP(切り上げ)、ROUND(四捨五入)
 FIX、FUPは負の数の扱いに注意。
 FIX[2.5]=2、FUP[2.5]=3だが、FIX[-2.5]=3、FUP[-2.5]=2となる。
2017年8月27日修正 失礼、誤記です。FIX[-2.5]=-3、FUP[-2.5]=-2ですね。

他、ACOS、ATAN、COS、EXP、LN、SIN、SQRT、TAN、MOD(余り)、**(べき乗)が使える。
また、論理演算として、OR、XOR、ANDがあるが、使ったことはない。

・パラメータ
 #に続けて1から10320の間の整数を入れる。数字の部分をパラメータにするのも可。
 例えば ##1 とすると、#1の内容に応じたパラメータを指定できる。便利そうだけど使ったことは 
 ない。
 5000番台にはシステム関係のパラメータあり、触っちゃまずそうなので使わないようにしている。

下記はフライカッターで旋盤アリ溝を修正した時のGコード。(左側面用)
(例2)
%
(2017.4.12)
G90G54G92X0.000Y0.000Z0.000
M08
S800M03
#1001=0.(Z zahyou)
#1002=0.025(X kirikomi)
#1003=0(X zahyou)
#1004=0.5(Z step)
#1005=13(Z times)
M98P01L[#1005]
G01X0.Y0.Z0.
M09
M05
M30

O02(***sub-left***)
#1003=[#1001*-0.57735+#1002]
G01X[#1003]Z[#1001]F50.
G01Y115.F50
G00X[#1003-0.5]
G01Y0.F500
#1001=[#1001+#1004]
M0
M99
%



#1003=[#1001*-0.57735+#1002]で Z座標=X座標/tan60°+切り込みとしている。
このやり方で疑似3次元切削的なものが色々やれそう。

・その他
G40、G41、G42 (カッター径補正)
 これは曲者だが、便利。
 同一のパスから荒取りと仕上げを行ったり、千鳥に掘っていったり。
 もちろん、本来のカッター径補正にも使う。これは別途まとめる。

G68、G69座標系の回転およびリセット
 G68 A~ B~ I~ R~ Rが角度(deg、+がCCW)
 これもカッター径補正と一緒に書く。

2017年5月3日水曜日

突っ切りバイトを作る

突っ切りが苦手だ。
ビビる、曲がるはまあいいとして、食い込むのが困る。
食い込んでモータが止まる、材料が曲がる、チャッキングがずれる。
基本的には旋盤の剛性の問題で、刃物幅を減らせば良くなるのは分かっている。
今使っているのはサカイのバイトセットについてきたt1.8のホルダー式ハイスバイト。



□8のキー材にt1超硬メタルソーの破片をロー付けして突っ切りバイトを作る。
メタルソーでスリットを切って破片をロー付け。

グラインダーで成形してテストカット、一瞬で折れる。あれまあ。


気を取り直してもう一本作る。今度は□8の先端をフライスでt0.9に落として、破片の形に合わせてダイヤモンドディスクで切り込みを入れてロー付け。
ロー付けで難儀する。ローが上手く流れない。
写真なんか取りながらやってるからだ。
なんとか仕上げて、今度は良いと思っていたら、テストカットで歯がくしゅっと座屈した。
横逃げ角が大きすぎると歯の下側が薄くなって強度が足りなくなるようだ。


意地になってもう一本。今度は薄くなりすぎないように、丁寧に研ぐ。
45Cでテストカット。良いようだ。ビビらずきれいに切れる。
仕上がりは刃物厚0.8、突き出し12。このくらいのサイズで、うちで切るものは大体カバーできる。
華奢なので、壊さないように丁寧に使おう。

2017年5月2日火曜日

キサゲ加工練習

XM-20のアリ溝は修正が必要なことがわかった。
分解したら自分自身は削れないので、どうやらここはキサゲ加工が必要。
とはいうものの、キサゲ加工も擦り合わせもやったことがない。
試しにやってみる。
先ずは工具作成から。
折れたφ3の超硬エンドミルのシャンクを削ってミニスクレーパーを作る。



 ノガのホルダーに咥えてFCの板で練習。
篆刻に似ている。キー材を平面とみなして擦り合わせながら削る。
一日削った結果がこれ。



















これは上手くいく気がしない。削るそばから傷を再生産している感じ。
道具が悪いだろう、ということで、キサゲを作る。
近所のHCで4.5×19x900の詳細不明の鉄材を買ってきて300mmに切り、割れた超硬メタルソーの破片をロー付け。グラインダーで荒加工してダイヤモンドヤスリで仕上げ。




















削ってみる。これはいいかも。
2時間ほど削る。で、こんな感じ。




















傷が目立つが、平面は出せそう。傷がつくのは刃物のせいか、腕のせいか。