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2017年12月23日土曜日

自転車サスペンション用リンクを作る




こんな物が欲しい。




























マウンテンバイクのサスペンションリンク。サイズは79×54×32mm、材質はA2017、
初体験のボリューム。
今回の一番のポイントは、肉抜きの3次元切削の部分。
この部分のGコードを考えるにあたって、初め、YZ平面上でG02を使って削れないかと思っていたが、円筒軸がX軸又はY軸と平行でないので座標系の回転が必要になり、何をやっているのかよくわからなくなること、また、何より、刃物軌跡が円筒軸と直行していない場合、螺旋軌道のXY平面への投影は直線とならないことから、このアイデアは却下、
座標値をパラメータの計算で決めることにした。
ちょっと長いが、肉抜き部コード全文は以下。
(当然のことながら、このコードを使って何が起きても責任は取れない。)

G90G54G92X0Y0Z10.
#1001=#5213(SAVE Z- syoki)
#1002=1.5(offset-step)
#1003=15.(offset-max_kari)
#1004=FUP[#1003/#1002](times)
#1005=[#1002*#1004](offset-now)
M07
S2500M03
M98P01L#1004(raff GOSUB PASS)
#1005=[#1002*0.3](pre-siage GOSUB PASS)
M98P01
#1005=0.(siage  GOSUB PASS)
M98P01
G00Z10.
G00X0Y0
M09
M05
M30

O01(***PASS***)
#1103=-5.(Z0)
#1106=31.329(angle-axis_ccw+)
#1107=50.(times-arc)
#1108=16.(radius *MEN-R + BALL-R)
#5213=[#1001+#1005](INPUT Z-offset)
G92.3
G00X43.166Y-21.089
G01Z-11.66F50.
F200.

(++GOSUB_ARC-Z-END-TANGENT1++)
#1101=25.765(X0 :Tangent side)
#1102=-16.462(Y0 :Tangent side)
#1104=43.166(X1)
#1105=-21.089(Y1)
M98P12
G01X22.783Y-15.669
G03X22.723Y-15.86I-0.026J-0.097
G01X25.234Y-16.785

(++GOSUB_ARC-Z-START-TANGENT2++)
#1101=25.234(X0:Tangent side)
#1102=-16.785(Y0:Tangent side)
#1104=41.118(X1)
#1105=-22.637(Y1)
M98P11

G00X45.Y-19.973Z-11.66

(++GOSUB_ARC-Z-END-TANGENT3++)
#1101=27.599(X0:Tangent side)
#1102=-15.346(Y0:Tangent side)
#1104=45.(X1)
#1105=-19.973(Y1)
M98P12

G01X23.182Y-14.171
G03X22.187Y-17.314I-0.424J-1.595
G01X23.544Y-17.814

(++GOSUB_ARC-Z-START-TANGENT4++)
#1101=23.544(X0:Tangent side)
#1102=-17.814(Y0:Tangent side)
#1104=40.57(X1)
#1105=-24.087(Y1)
M98P11

G00X47.476Y-19.027Z-12.38

(++GOSUB_ARC-Z-END-TANGENT5++)
#1101=29.433(X0:Tangent side)
#1102=-14.23(Y0:Tangent side)
#1104=47.476(X1)
#1105=-19.027(Y1)
M98P12

G01X23.58Y-12.673
G03X21.651Y-18.769I-0.822J-3.093
G01X21.853Y-18.843

(++GOSUB_ARC-Z-START-TANGENT6++)
#1101=21.853(X0:Tangent side)
#1102=-18.843(Y0:Tangent side)
#1104=40.906(X1)
#1105=-25.862(Y1)
M98P11

G00X43.166Y-21.089Z-11.66

#1005=[#1005-#1002]
M99

O11(***SUB_ARC-Z-START-TANGENT***)
#1201=SQRT[[#1101-#1104]**2.+[#1102-#1105]**2.] (LENGTH_01)
#1202=ATAN[#1102-#1105]/[#1101-#1104]
#1202=[#1202-#1106]                       (ANGLE 01-AXIS_s)
#1203=[#1201*SIN[#1202]]   (Be:DISTANCE_XeYe-AXIS_START-TANGENT)
#1204=1.(i:COUNT-ARC)
M98P21L#1107
M99

O21(**SUB2_ARC-Z-ST-SUB**)
#1301=[[#1104-#1101]*#1204/#1107+#1101] (Xi)
#1302=[[#1105-#1102]*#1204/#1107+#1102] (Yi)
#1303=[#1203*#1204/#1107] (Bi)
#1304=SQRT[#1108**2.-#1303**2.]
#1304=[#1304+#1103-#1108] (Zi)
G01X#1301Y#1302Z#1304
#1204=[#1204+1.]
M99

O12(***SUB_ARC-Z-END-TANGENT***)
#1201=SQRT[[#1101-#1104]**2.+[#1102-#1105]**2.] (LENGTH_01)
#1202=ATAN[#1102-#1105]/[#1101-#1104]
#1202=[#1202-#1106]                       (ANGLE 01-AXIS_e)
#1203=[#1201*SIN[#1202]]          (Be:DISTANCE_XeYe-AXIS_END-TANGENT)
#1204=[#1107-1.](i:COUNT-ARC)
M98P22L#1107
M99

O22(**SUB2_ARC-Z-ET-SUB**)
#1301=[[#1104-#1101]*#1204/#1107+#1101] (Xi)
#1302=[[#1105-#1102]*#1204/#1107+#1102] (Yi)
#1303=[#1203*#1204/#1107] (Bi)
#1304=SQRT[#1108**2.-#1303**2.]
#1304=[#1304+#1103-#1108] (Zi)
G01X#1301Y#1302Z#1304
#1204=[#1204-1.]
M99
%

簡単に解説すると、プログラムはサブルーチンの4層構造。
(1)メインでZ方向の最終掘り込み深さとステップ量からZ方向繰り返し数を決めて
   2層目のサブルーチンO01(***PASS***)をコール、

(2)2層目のO01(***PASS***)で円筒軸とX軸の角度、刃物軌跡の半径(ボール中心)
   始点と終点のXY座標を指定してZ軸オフセットを決め、
   円弧切削部の分割数を指定して、3層目の
   O11(***SUB_ARC-Z-START-TANGENT***):接線から円弧状にZ方向に下がる、
   または
   O12(***SUB_ARC-Z-END-TANGENT***):円弧状にZ方向に上がって接線で
   終わる、をコール、

(3)3層目のO11(***SUB_ARC-Z-START-TANGENT***)、または
   O12(***SUB_ARC-Z-END-TANGENT***)で刃物軌跡のXY平面上の距離、
   刃物軌跡と円筒軸の距離を計算して、円弧の分割の回数分、4層目の
   サブルーチンO21(**SUB2_ARC-Z-ST-SUB**)
   又はO22(**SUB2_ARC-Z-ET-SUB**)をコール

(4)4層目でXYZの座標を計算してG01で直線移動、

という構造になっている。
円弧を直線で近似するのできれいな弧を描くには分割を細かくする必要があり、(今回は50分割)計算が追い付かなくてギクシャクすることを心配したが、今回の条件F200ではきれいに動いた。




今回、この切削用にボールエンドミルを新調した。
OSGのWXL-LN-EBDR2×8×4。突っ込みが深いのでロングネックが必要になった。
アルミ用ではないが、えらく良く切れる。
やっぱり、少々高くても、ちゃんとしたメーカ物のほうがいいな。

後、今回のGコードはZ方向をオフセットするのに#5213(Z方向オフセット量のシステムパラメータ)を直接書き込んでG92.3でオフセットする方法を取ったが、どうもあんまり好きじゃない。特にG41(工具径オフセット)と共存させるのがめんどくさい辺が、、、
次に書き直す時はZ座標を直接パラメータで指定するようにしよう。


色々難はあるが、なんとか完成。





















あとは、錆びる前にアルマイトをかけないと。


2017年9月27日水曜日

バキュームフォーミングでピックテストのカバーを作る

手ぼこなもので、4~5年前にピックテストを落としてカバーを割ってしまった。それからは、キリコが入って嫌だな、見にくいな、と思いながら使い続けてきた。
そもそもこんな精密機器を落としてはいけない訳で、メーカーに送って修理がてら校正してもらうのが筋なんだろうが、今回、アマチュアだし、お金もないし、と自分に言い訳して作ることにした。旋盤がNCモドキになるとやることが沢山出てくる。
当初、ポンプの窓と同じように削り出せばいいかと思っていたが、板厚0.8mmでチャッキングが難しそう。
ということで、今回は、バキュームフォーミングで作ってみた。

先ずは構造用合板でバキュームヘッドと樹脂板ホルダーを作る。
盛大にバリ、欠けが出る。
やっぱり木工用の刃のほうがいいかな。回転数ももっと上げたい。
今回はパテを盛って磨いて仕上げてしまう。
これがバキュームヘッド。



こちらは樹脂板ホルダ。


次、NC旋盤もどきでアルミから型を作る。


型はバフで磨いて、

こんな感じ。


ヘッドと組み合わせると、



樹脂ホルダにアクリルt1.0を挟んで、ヒートガンで炙って、バキュームヘッドを押し付けて掃除機で引く。
第1号はこんな出来。


勢い余ってコンクリの床に意匠面を押し付けてしまってガサガサ。

その後、何回かトライするが、中々うまくいかない。
問題点は下記3点。



もっと均一に暖めなければいけないかと、オーブンで暖めてみる。
150℃10分→まだカチカチ。
150℃20分→まだ駄目
200℃10分→まだ駄目
200℃20分→いけそう→縁が引けない。
300℃10分→まだだめ。
300℃度20分→いけそう→縁が引けない。
樹脂板ホルダはこんがり焼け色が付いたが、どうも上手くいかない。

原因を考えてみる。
①型のアルミで樹脂が冷える。
②樹脂板の面積が足りない。(伸び代がもっと欲しい。)
③バキュームヘッドの圧力損失が大きい。
④掃除機のパワーが足りない。

まあ、どれもあるのだろうが、簡単に試せる①について対策してみる。
→型を予熱してみる。
もう一度ヒートガン式に戻って、型を炙ってから樹脂を暖める。
monotaroの放射温度計で測ると、型が100℃程度、樹脂が200℃程度。
この温度計は一体どのくらいの誤差が出るのかさっぱり分からなくて、
いつも測っては見るが信用出来ない。


縁と皺は、だいぶいいようだ。
ぶつは相変わらず出る。
ルーペで覗くと、あぶくがある。暖めすぎで樹脂が気化したのか、元からあった泡が膨張したのか、たぶん後者のような気がする。

取り合えずぶつには目をつぶって、一番いい出来のもので仕上げることにする。
旋盤に型を咥えてカバーを当て、パットセンターで押さえて耳を切り落とす。

元のカバーと直径が合うように高さで調整してできあがり。

ぱちんと嵌め込んで、完成。
おしまい。





2017年9月10日日曜日

自転車ヘッドの圧入 フライスのテーブル送りネジユニットを流用して圧入工具を作る

おまちかねの新しい自転車フレームが届いた。
塗装したままなので、完全にばらばらの素材状態。

ベアリングの嵌め合いの状態を確認しながら圧入する所から始めるわけだが、現物を確認してまずい事に気付く。ヘッド小物が圧入されていない。
テーパーヘッドの下ワン、1.5inch。これは圧入力が大きいし、ワンはアルミだし、簡単には入らない。本来は専用工具が必要。送る前にここだけはお願いしておけばよかった。
昔はヘッド小物に当て木をしてハンマーで叩いて入れたりしたが、もうそんなことはしないと決めている。
さて、どうやって圧入しようか。

一番簡単な方法から順番に試すことにした。
先ずはフライスのテーブルにフレームのヘッドを乗せて、
ヘッド小物を乗せた上からプレートを当てて、主軸で押してみる。
うーん、うまくいく気がしない。絶対齧る。
普段扱っているベアリング類の圧入は、平行にさえ気を付ければ大概この手の方法でなんとかなるが、今回は手強い。物も大きいし、圧入代も大きい。

※もしこの方法を参考にされる方がいるならば、主軸のベアリングを痛めるリスクを考慮の上、自己責任で。本当は、せめてもう一手間掛けて、主軸スリーブ(回らない部分)で荷重を受ける冶具を作って、主軸ベアリングには荷重がかからないようにしたほうがいい。

ついでに、ベアリングを圧入する場合、外輪圧入なら外輪を、内輪圧入なら内輪を押して、ボールレースに圧痕を付けないようにする。今回のケースはカップだけでベアリングは入っていないので関係ないが。


次、ヘッド小物に当てるカラーを作って主軸で押す。


これなら平行は出せそう。
クイルハンドルで押してみる。びくともしない。
Z軸の駆動を掛けてみる。モータは脱調するが、やはりびくともしない。
無理せずさっさと諦める。

しょうがない、ネジで引くことにする。
M8~M12くらいが必要かな。探してみるが、長いボルトがない。
M6ずん切りならあるが、ちょっと細すぎて無理そう。
本来なら角ネジで引きたい所、と考えたところで、フライスのテーブル駆動ネジ
が余っているのを思い出した。ネジバックラッシ改善のため外したもの。ネジはTr14X2、なおうまいことに、スラストベアリング付きのハウジングとキー固定のハンドルもついている。

先ほど作ったカラーのセンターにΦ14の穴を開けて引っ張ればいけそうな気がする。



下側をモンキーレンチで咥えて、平行を確認しながらハンドルを回す。

ばっちりはいった。良かったよかった。
しょっちゅう使うなら、ハンドルを大きくしたい。




後はピボット類のベアリングを圧入、シャフトを通してプレート類を組み付けてフレーム完成。今日はここまで。





2017年8月27日日曜日

自転車フロアポンプのエアゲージ窓を削る。

今使っている自転車のフロアポンプを買ったのは確か92年頃、岩岳かキューピットバレーのDHレース会場のパナレーサーの出店で買った。その後の荒い扱いにも関わらず、まだまだ元気に現役で使用中。ホースの劣化もなし、革のピストンパッキンは確か1回交換したはず。
その中で、エアゲージの窓がすっかり黄ばんで濁ってしまった。暗いところでは全然見えない。取り合えずコンパウンドで磨いてみたが、内部まで濁っているようであまり改善しない。NC旋盤モドキが使えるようになったので、新しいのを削ってみた。
材料はなぜか買ってあったt8mmのポリカ。アクリルのほうがいいんだろうなぁ、と思いながら、手持ち材でやってしまう。


断面形状は、目盛りが大きく見えるように凸レンズにしてみた。(外側凸R、内側フラット)

先ずは手のこで四角に切り出し、面板に押し付けて外周を削る。


内側は手送りでフラットに削る。

内周を咥えてNCで外周削り。

前回のシフトノブアダプタの時はG53座標系オフセットで切り込みを決めたが、今回はパラメータでオフセットしてみた。こちらのほうがGコードの見通しがいいような気がする。




(***main1***)
#1001=0.2(offset-step)
#1002=3.6(offset-max_kari)
#1003=FUP[#1002/#1001](times)
#1004=[#1001*#1003](offset-now)
M98P01L#1003
#1004=[#1001*0.2]
M98P01
#1004=0.
M98P01




O01(***pass1***)
G00A#1004
G00X[0.3+#1004]Y[1.+#1004]
G00Y[-2.6+#1004]
G01X[-6.+#1004]F50.
G01Y[1.+#1004]F200.
G00X[0.3+#1004]
#1004=[#1004-#1001]
M99



後は耐水ペーパーとコンパウンドで磨いて完成。完全にクリアーになるように磨くのは、なかなか技術と根気がいるようで、どうも筋が残ってしまう。今回の使用上は全く問題ないのでこんなもんにしておく。




before



after
気分すっきり。

これが出来れば、非球面レンズも作れちゃう。精度はともかく。
嫁に見せたら、あきれられた。確かに、こんな部品になんでこんなに手間を掛けるのか、ということにはなろう。でも、その一方、コストパフォーマンスの問題ではなかろう、とも思う。ここの所を上手に説明できるようになるのが今後の課題。

まあ、今回の件に限って言えば、ナショナルタイヤにおねだりすれば、簡単に入手できたのかもしれない。


NC旋盤もどき#1。親亀子亀

NCフライスの主軸を固定してバイトを咥え、テーブルにミニ旋盤を乗せると、NC旋盤として使える(はず)。NC旋盤の必要な部品が何点かあり、やってみる。

先ず、主軸ロック金具を作る。
t12のA2017板からΦ5エンドミルで削りだす。(なぜかストックがあった)
円弧部分がきれいに削れるかどうかが課題。
リードスクリュー改良を行ってから、このような切削はずいぶんうまく作れるようになった。
ただし、今回はしょうもないミスの連発でずいぶん難儀した。円弧の直径を間違えたり、移動でZ軸を上げるコードを漏らしたり、、、ちょっと頭の調子が悪い。
それでもどうにか深刻な欠陥なしに完成。
もう一つポストを作って本体に組付け。


後はΦ16の快削鋼でアーバーを作って、いつものようにΦ5棒に超硬チップをロウ付けして刃物を作る。



アーバーをコレットチャックに咥えて旋盤を乗せる。


これで何を削ったかは、別途。












2017年8月20日日曜日

振れ取り台アダプタを削る

何てことない削りものシリーズその4

色々たまっているので、まだまだ続く、何てことないシリーズ。
週末用自転車(MONKEY98ST7)のリアホイールのスポークが1本緩んでいるのを発見。
この自転車は下して2年の我が家では最新スペック。
そうすると、フロントΦ15スルーアクスル、リアΦ12スルーアクスルだったりする。
一方、振れ取り台は、いつ買ったんだったか?90年代前半ではあるのだが。

当然、当時はスルーアクスルなんて存在せず、フロントΦ9リアΦ10クイックシャフト仕様のみ。例えばこんな形。


振れ取り台のエンド部はこんな形。


一方、スルーアクスルではホイール側はこんな形。
フロントならΦ15、リアならΦ12の穴が開いているだけ。このままでは振れ取り台に乗らないものだから、最初からホイールは組んでもらったし、その後もろくにチェックしていなかった。
とりあえず弛んだスポークは適当に締めておいたけど、これはなんとかせねば、ということで、手持ちの振れ取り台に12mmと15mmのスルーアクスルホイールが乗るように、アダプタを作る。





作成風景は、何てことない削りだから、敢えてのせる程のものではない。
フロント用とリア用のカラーを1ペアづつ、A7075 Φ20の棒材から削る。M6のズンギリを200mmに切る。大阪魂のM6ノブスターを2個、1個はキャップにΦ6.5の貫通穴を開ける。自転車スタンダードでは、クイックシャフトに合わせてM5とするところだが、材料ストックと好みの問題でM6とした。

使い方はこう。


振れ取り台に乗せたところ。



後は普通に振れを取るだけ。


具合は良いようだ。

シフトノブアダプタを削る

何てことない削り物シリーズ3

車のシフトノブが、ポロンともげた。
アルミのノブとシフトレバーの棒の間に振動防止か断熱か、エラストマーが入っていて、これにひびが入って、芯のプラスチックも割れて脱落した。そんなに力がかかるところではないので、前のオーナが交換しようとして断念したのかしらん。
取り合えず友達に泣きついてみる。昔、使わなくなったシフトノブをあげたことがある。たしか2008年。その後、車を乗り換えて、使わなくなったはず。
即、返事が来る。あるという。お互い物持ちのよいことで。


前に使っていたときは、シフトレバーの先にねじが切って有ったので、ぐりぐりっとねじ込めばOKだったが、今度はΦ11のただの丸棒。とりあえずテープを張って押し込んだが、ぐにゃぐにゃしてぜんぜんだめ。分かりました、作りましょう。




シフトノブの穴はダブルDのテーパーなので、内パスで寸法を拾って、ジュラコンでコレットを作る。内径はΦ11のストレート。メタルソーでスリットも切って、こんな形。



次、コレットを押さえるカラーを作る。材料はA5056のΦ32が有ったので、それを使う。
(いつものA7075やら2017に比べて面が荒れやすくて削りにくい。)
ネジはノブに合わせてM21P1.5。首下は作ったばかりの親亀子亀で行ってみる。
折角だから、NCじゃないと削りにくい形で、ということで凹R20-R7の複合+前後の凸Rまで通しで削る。







完成。 もう少し苦労するかと思ったが、殊の外きれいに削れた。動画を撮っていた時は、バイトの前切れ歯がテーパと干渉してびびっていたけど、角度調整後は安定した。ちなみに、切り込み0.05mm、送りF150(荒取りならもっと送れる)、最後だけF30くらいで仕上げた。

取り付けると、こんな感じ。
カラーにレンチをかけてぐりぐり締める。
やっぱり、触るところは革がいいな。