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2019年10月21日月曜日

真空ポンプと果実酒瓶でオイルチェンジャーを作る。

真空ポンプと果実酒瓶を使って、車のエンジンオイル上抜きツールを作った。所謂オイルチェンジャー。
真空ポンプと果実酒瓶を使ったエンジンオイル上抜きツール


当初、ポリボトルに真空ポンプを繋いだら、車のエンジンオイル上抜きツールとして使えるんじゃないか、と考えた。
オイルポンプで汲み上げるよりシンプルでクリーンじゃないか?せっかく真空ポンプを持ってるし。
5Lのポリボトルにホースをつないでテストしてみる。
ポリボトルの減圧テスト


ありゃりゃ。あっけなく潰れる。一般的な容器は内圧には結構持つけど、減圧には弱いんだね。壁面が座屈しちゃう。
座屈させないためには肉厚を増やすのが良いわけだが、5L程度入る肉厚の容器はなかなか思いつかない。VP管で作るとか、調理用ボールを2個合わせにするとか色々考えた挙句思いついたのは、果実酒用瓶。これは容量もいい塩梅で、何より安い。
仕舞ってあったのを取り出して形状チェック。多分大丈夫。

オイルを入れたガラス瓶が割れたら後始末が大変なので、現物から寸法を拾って構造解析で強度を確認。ツールはFusion360。本当はガラスの強度をちゃんと見ようとするといろいろ大変なのだが、あくまでざっくりと。

①座屈モード確認、外から0.1MPaをかける。
ガラス瓶減圧時の座屈解析
降伏応力を20MPaとして安全率48.76、全然OK。

②応力確認。同じく外側から0.1MPaかける。
ガラス瓶減圧時の応力解析

圧縮最大応力2.2MPa、引張最大応力13.2MPa、安全率2は取りたいところだが、自分で使うので、まあ良しとする。実際には瓶の底は凸レンズ状に真ん中が厚くなっているが、モデルには反映していないし。

蓋はべニアで作って、
蓋用べニア板切削

蓋には丸穴を開けて、
PE蓋に丸穴開け

今回使った果実酒瓶の蓋の内側には、果実酒が発酵する時のガスが逃げる隙間を確保するためのリブが生えていて、密封するときに邪魔になる。これを切り落とすのに難儀したけど、カッターをバーナーで炙る簡易ヒートナイフでクリア。
PE蓋内部リブ


PE蓋内部リブ切除後

パッキンはシリコーンのエアホースを縦に裂いて瓶の口に嵌める。
エアホースによるパッキン


フィッティングのネジが短いので、べニアに固定するためのナットを旋盤で削る。
オイルチェンジャー部品一式


エンジンのオイルゲージホールに突っ込むホースは耐熱温度がぎりぎりいけそうなナイロン系の外径6mm内径4mmを使う。他、手持ち部品をくみあわせて、 
オイルチェンジャー組立状態

ホースをエンジンのオイルゲージホールに突っ込んでオイルを吸い上げる。
オイルチェンジャー使用状態

この状態でオイル約4Lが抜けるのに約25分。取り合えず用は果たすが、ちょっと時間かかりすぎ。5分くらいにしたい。
真空ポンプの調子が悪い、とか(直った)、いい加減なパッキンのエア漏れが大きい、とかチューブの抵抗が大きい、とか改善点が色々あるので、追って修正することにする。

オイルチェンジャー、というのだから、オイルを入れる方もこれでやれるんじゃない、ということで、吸い上げ用チューブを追加してコンプレッサーを繋いでオイルを入れるのもやってみたが、これは全然だめ。
オイルチェンジャーによるオイル充填テスト

オイルはまるで入らないわ、エアと一緒にオイルがぶくぶく漏れ出すわ、、、
まあこれは、普通に漏斗を使って流し込んだほうが手っ取り早いので、却下。爆発させたらたいへんだし。

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