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2019年1月27日日曜日

NC旋盤もどき#2(フライスの主軸にワークをチャックして旋盤として使用)

チップホルダー製作に当たって新テクニックを試した。
前に書いた、フライスを使ったNC旋盤もどきの別バージョン。
今回はフライスの主軸にワークをチャックしてテーブルに刃物を固定するパターン。
やってみると殊の外具合がいい。旋盤ML-210と比べるとフライスMX-20は剛性も主軸出力も全然上だし、コレットチャックもチャッキングの剛性が高くてGOOD。
結果、S45C快削Φ16を80mm程突き出して2500rpm、切込み0.5mmでビビらず削れる。
ちなみに、ML-210だったら、S45CΦ16なら1200rpm、切込み0.2mmくらいがいいところだし、センターを押さずに80mmも突き出すなんて、無理。

写真では、バイスで旋削用バイトを咥えてY軸方向を主軸中心に合わせて、X軸を切込み方向として、外周円筒と凹RをNCで削っている。
フライス主軸にワークをチャックして側面削り


こちらは底面の凹を削っているところ。
フライス主軸にワークをチャックして底面削り



この方法でワークにテーパーが付かないようにするためには主軸とZ軸送り方向の平行度が必要。MX-20では赤矢印のナット3点を緩めると青矢印の向きの角度調整が出来る。
これと直交方向はシムを挟まないと調整できないが、今回の向きでバイトを当てるなら調整不要。
ミニフライスMX-20の主軸傾き調整箇所


調整手順は以下。
 ①とりあえず削る。
 ②マイクロメータで直径を2か所計って差を確認。
 ③差が少なくなる方向に主軸角度をちょっとずらして固定。
 ④①に戻る。

NCデータを作る際は、G18でZX平面を選択して(XY平面指定のままだと円弧切削の向きが違う)座標をXとZで記述する。X座標、Z座標共に正負がひっくり返っているので注意。
最後、M30が入っていれば選択平面はXY(G17)にリセットされる。

今回作ったデータの例。
(いつものことだが、このデータを使って何が起きても責任は取れない。又、データはMach3用であり、他のCAMで動くかどうかは分からない。)

%
G18
G40
G52X0Y0Z0
#2001=150.(F1)
G90G54G92X0Y0Z0
M07
S2500M03
#1001=0.(Offset-start)
#1002=-0.1(offset-step)
#1003=-2.1(Offset-end)
#1004=FUP[[#1003-#1001]/#1002](times)
#1005=[#1003-[#1002*[#1004-1]]](offset-now)
(***GO PASS=fai11.8***)
M98P01L[#1004]
G52X0Y0Z0
G00X1.Z1.
G00X0Y0Z0
M09
M05
M30

O01(***PASS_fai11.8***)
G00X3.1Z4.465
G52X#1005
A#1005
G00X3.1Z-60.814
G03X0Z-55.I3.902K5.814F[#2001]
G01X0Z4.465
G01X3.1Z4.465
#1005=[#1005+#1002]
M99
%

最近の定型パターンで、実際の軌跡はO01以下でサブルーチン化している。
切り込み量はG52で座標オフセットをかけて、オフセット量は#1005でパラメータ指定。
円弧切削でのKの指定(Z方向の円弧中心相対位置)は今回初めて使った。




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