自転車サスペンションのトップキャップボルト用、対辺27mmのソケット。
実際やってみると、アルミの六角、高さ4mm程度のこのボルト、回せることは回せるが、角は舐めるは、周囲の塗装は削れるはで、はなはだ具合が悪い。
この場所は、ダンパーオイル交換のため、年に一回くらいは開けたい。
すでに今の6角部はつぶれてひどい状態にはなっているのだが、今回これがうまくいけば、ほかのサスペンションも気兼ねなく開けられる。
さて、工具と六角頭の勘合、なんて、今回初めて具体的に考えた。
いや、所謂面接触ドライブの存在は知っていたが、自分で寸法を決めるとなると、ちょっと話が別。
取り合えず、工具とワークのクリアランスを片側0.05mm、角部の逃げをR0.75とR15の複合カーブにしてR15部をワークに当てる設計とする。これでワーク寸法が対辺27mmジャストの時に角から約2mmの位置を中心に接触することになる。
ソケットレンチだから反対側は四角穴。これは前からやってみたかった。
これができれば色々と応用が利く。
手持ちの工具、実際に使うトルクに合わせて3/8SQとする。
こちらも単純な四角穴ではなく、面接触ドライブで。
寸法はJISB4636を参考にしながら手持ちの工具の実寸で決める。
まずは旋盤で、A7075の棒材からブランクを削る。
ブランク完成。六角側。
3/8SQ側。
今度はNCフライスに載せて、先ずは六角部荒取り、Φ3エンドミル。
仕上げはΦ1ロングネック。
ひっくり返して四角穴部を同じくΦ3-Φ1で削る。
完成。四角穴側。
とりあえず、ボール用の凹は無し。
ラチェットハンドルと組合せるとこんな感じ。
六角側。
実は、六角側の面取りでZ原点設定を間違えて刃物をめり込ませてしまった。
見るたびに悔しい。まあ、そのうち作り直そう。
具合は、すこぶる良い。六角が舐める不安は全くなく、気兼ねなくトルクがかけられる。対辺寸法の割に高さが低いのも、トルクをかけやすくてGOOD。アルミだから軽いし。
耐久性は不明。対アルミ専用工具だから、工具の持ちより当たりの柔らかさを優先、とする。角ドライブ側の耐久性は使い込んでのお楽しみ。へたるほど使い込むとも思えないが。
面接触ドライブの効果は、元からワークが痛んでいるのでよくわからず。
他のサイズも作って、まだ触っていないサスペンションで試してみることにする。
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