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2020年1月26日日曜日

回し金(Lathedog)を作る

こんなものを作った。回し金。
回し金(lathedog)完成状態

英語では Lathedog というらしい。なんでだろう?噛んでるから?
使い方はこんな感じ。
回し金使用状態

両センターで受けたワークに取り付けて、面板の回転を伝える。
最近、両センター加工するものがあって、十数年前に間に合わせで作った回し金で作業した。
回し金 間に合わせ

しかし間に合わせはやはり間に合わせで、収まりは悪いし、なんせ回転数を上げると振動が大きい。どれ、作るか、と。
せっかく作るので、ちょっと一工夫。面板と勘合するピンの位置をアジャストして重心調整できるようにした。
回し金の位置は勘合するワークの径によってずれるので、重心もずれる。
そこで、ML-210用の面板の長穴の範囲でピン位置をスライドさせて、回し金の重心が軸芯に一致させられるよう、CADで重心を確認しながら各部品寸法を決めた。対応ワーク径はΦ6~Φ26。

以下製作過程だが、丸物の写真はなし。
本体は、有り物のA2017 t=10.
Φ3のロングネックエンドミルで穴と外周を削る。外周は分離しないように薄皮1枚残す。今回0.3mmとした。
回し金 本体切削1 穴、外周

面取りして
回し金 本体切削2 表側面取り

裏返して再度面取り。
回し金 本体切削3 裏側面取り

ここで薄皮も切り落とす。(薄皮厚より面取りが大きくないと段差が残る。)
途中で止めてクランプし直さないとワークをすっ飛ばしてしまう。(このパターンの加工を久々にやって、すっかり忘れていて危なくすっ飛ばすところだった。)

ねじを立てて完成。
回し金 本体切削4 ねじ立て

部品一式
回し金 部品一式

重心を調整する時は、ワークが自重で回転するようにセンターの押し付けを弱くして、回し金のピンが勘合しないように右側に寄せて仮留めする。
回し金 重心調整

重心調整はばっちり。
調整ノブが右側に出っ張るので刃物を寄せられないのが邪魔になる場合があるかもしれない。




2020年1月19日日曜日

フライスの原点出し用コーンを作る

こんなものを作った。
先日作ったチャック取付アダプターを使う時に、チャック中心とフライス原点を合わせるための治具。フライスのコレットに咥えてチャック固定治具のセンター穴に押し付けると治具センターとフライスの主軸中心が一致する、というもの。
フライスで丸物の中心に原点を合わせるのは、手間がかかるのでちょっとおっくうだったが、これがあれば簡単。
フライスの原点出しコーン使用状態

単体はこれ。
フライスの原点出しコーン単体

(後端のへそは写真を撮った後で削った)
テーパー部と軸部の同芯度が欲しいので、ワンチャックで削る。
材料はS45C生材Φ25。
ちょっとチャックに対して突き出しが長すぎるので、無理をするとずれて同心度が狂うので、無理しないように削る。
(実は左勝手バイトで軸部を削っているときにワークがチャックからすっぽ抜けて飛んでしまった。まあ、そんな場合も仕上げ前ならもう一回咥え直して軸部とテーパー部を通しで削れば大丈夫)

製作過程は以下。
ブランクをスクロールチャックで咥えてテーパーアタッチメントで60度テーパーを削る。
製作過程1 テーパー部旋削

右勝手バイトと左勝手バイトでΦ12ストレート部を削る。 
製作過程2 軸部を右勝手バイトで削る

製作過程3 軸部とコーンの肩を左勝手バイトで削る

後端の面取を入れてから、 
製作過程4 軸部後端の面取り

突っ切り。 
製作過程5 突っ切り

本当は熱処理したほうがいいかもしれない。減るぐらい使ったらまた考えよう。