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2019年6月20日木曜日

Dビットを作る

ローレットホルダの件を書いた時にDビットの件も書いたつもりが、下書きで止まっていたので遅ればせながら公開。

ローレットホルダを作るにあたって、Φ6.35とΦ8の穴を精密に開けることが必要になった。ドリルではちょっと精度が問題だし、Φ6.35ドリルなんて結構高い。
Φ8については、ハンドリーマをフライスに咥えての加工もトライしたのだが、下穴Φ7.5では取り代が大きすぎるのか主軸がオーバーロードで止まってしまう。で、Dビットを作った。形状は見ての通り。作り方はミニ旋盤を使いこなす本に出ている。
材質はSK-3
①外径を希望径になるべく精密に削る。
②先端のD部分をグラインダーで削る。
③ダイヤモンドヤスリで肌を整える。
④バーナーで焼き入れ。
⑤表面の焼けを耐水ペーパーで落とす。(⑥の色を見るため)
⑥焼き戻し。焼け色を見ながら刃先に炎が当たらないようにバーナーで炙って、狙いの色になったところで水につけて止める。
焼き戻しは径が太目で穴が浅ければ無くてもいける。穴が深いと齧って中で折れることもある。
狙いは紫~青色辺り。(280℃~300℃?)
⑦必要に応じて再度刃を研ぐ。

説明すると長いが、ものの15分くらいで作れる。

この写真はΦ8のもの。直径は素材のまま。これでS45C生材を削る。ドリルでΦ7.5の下穴を開けて、Dビットに変えて300rpmくらいで手送りでゆっくり開ける。

Dビット φ8


Dビット φ8 使用図


こちらはΦ6.35。
Dビット φ6.35 使用図
部品の形状から、手前にM8ネジを切ってから奥をΦ6.35に浚うため、首下をちょっと長めに作っている。


Φ6.35は上手く削れたが、Φ8は齧って止まってしまう。穴が深いので、歯の無い部分の摩擦が大きい。主軸-チャックの偏心の影響もあると思う。
しょうがないので、首下を0.05mm程削る。超硬のバイトなら、焼きが入ったままでも問題無く削れる。削ると肌の変化が面白い。(左側の刃先部分は焼きが入って光っている。真ん中は焼き戻し時にバーナーの炎が直接当たって焼きなまされている。

Dビット φ8 追加工

これで削ると、穴径が刃物径よりちょっとマイナス目になる。
そのままでは相手部品が入らないので、もう一本作って手回しで穴内面をさらった。追加分は手回し専用と考えて、無理はしないので焼き戻しなし。結果+1/100でばっちり。